「描く!マンガ展」in川崎市民ミュージアム

話題になっていたのは知っていたけど、行ったのは最終日前日。
睡眠時間4時間だけど、気力で行きましたw

内容は「描く」ことに焦点をあてた展示で、描線に特徴があり、かつ「マンガ」に大きな変化をもたらした作家ばかりの作品が集まっていた。意外にも手塚治虫、水野英子、赤塚不二夫、藤子A、石ノ森章太郎ら、偉大な巨匠の割合は少なく、戦前と戦中に「描く文化」が広く浸透していたことと、そのバラエティーを紹介する役割にとどまった。

上記巨匠のコーナーが終わってガラッと空気が変るのが、さいとう・たかをに始まる劇画コーナー。
スペースも広くレイアウトも大胆で、劇画がいかに衝撃的だったかという当時を伝えるかのような構成。

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文句なく、スタイリッシュです、ハイ。

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当時発行された「劇画入門」から拡大してパネルにされたもの。
その題材として選ばれた「無用ノ介」の複製原画。

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今回の展示物の中で、一番「絵画的」だったのがさいとう・たかを先生の絵だったかなあ。

鳥がリアルに描かれているんだけど、群れをなすその様は鋭い禍々しさと不穏さを画面に添えている。
絵単体としてのリアルさと演出としてのウソが絵画として美しく融合していて、「紙で映画を描きたい」と思ったというさいとう先生の志が見てとれる気がした。

あと、この海いいよねー

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「海ってこういうものだよねー」という記号で描くのではなく、「描きたい海」のイメージが先にあって、それを絵に落としこんだという感じ。日本画をやっておられたそうだが、その経験が発揮されてると思った。素晴らしす。

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これは当時の貸本マンガ。
写真中央の「影」から書き手が固定して劇画軍団が勢力を広げていったと解説にある。
確かに他の冊子とは装丁が一線を画している…。

 

カラー画がこんなに綺麗だと知らなかった、竹宮恵子先生。

アナログ原稿をコンピューターにとりこんでから複製する、再現性の高い「原画’(ダッシュ)」を開発するなど、新しい活動も紹介されていた。

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いかに「風と木の詩」に力を入れていたか、構想が練られていたかを示すものとして、連載前に描かれたクロッキー原画(実際の原稿とサイズも構図もほとんど変わらない)が事前に描かれていたという事実に驚いた。

このあと陸奥A子先生の可愛くて一見、頼りない線に癒やされたと思ったら、諸星大二郎先生の原画が待っているというヤバイ展開へ

ぱらいそへいくだ!の生原画が見られるとは思わなかった。ぱらいそ行きそう。あと、妖怪ハンターから一篇まるまる原稿展示という太っ腹ぶり。しかし、諸星先生の生原画を正面から撮影すると、なにか呪いでもかかるような気がしてコソーリ斜めから二枚とりました。チキン。

みんなだいすき、ごぞんじヒラコー。

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綺麗でした。色っぽいというか、うん、フェティッシュでした。思ったより全然修正あとがないのにもびっくり。 だからか、他の作家ほどコミックスの絵との差をあまり感じなかった。いや、原画のオーラは半端ないですけど。昔より印刷技術が発達しているのと、原画が大きいコマ割のものばかりだったからかな。

あずまきよひこ先生は「よつばと!」の展示。ジェラルミンに会えた―!20160926_145508000_ios 20160926_145528000_ios 20160926_145549000_ios

カラーイラストが生成されていく過程が興味深い。割りと均一な線で描かれてると思っていたけど、原画でみるとそんなことはなく、筆致が絵の構成に重要であるということがよくわかる。他に、デッサンが崩れるからという理由で紙の裏に下書きをして透かして本書きをしていることとか、デジタル作画に際して人物と背景を別に描いた例とか、制作過程の試行錯誤があるんだなーと思った。前者については昔、桑田乃梨子先生がやってると描いていたけど、あずま先生もやっていたのかとw

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こちら、みんなだいすき島本和彦センセーの愛用道具。いかにもな感じ。

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要所要所で田中圭一の解説が入るんだが、ここまで絵を似せられると、直感的でわかりやすい。
島本先生はキメラか…アニパロ趣味があったからかな?

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印象的だったのは地元出身で特攻隊で亡くなった、当時のマンガ少年のイラスト群。いかにもマンガ的な表現もあれば、抒情画のようなタッチもあり、ちゃんと上手い。
今も昔も描くことを楽しんでいた層がいた、それを市民ミュージアムらしく伝えるいい展示と思った。
(ただ、後の原画に圧倒されてちょっと忘れがち)

雨の酷い時間をうまくかわしたり、バスの最終を捕まえたりといったラッキーに恵まれ、帰ったらバタンキューで3時間ほど寝ました。天気とか体調とか行きやすい日を選んでいたら、いつまでも行けないということがよくわかった。行こうと思えば行ける実績を作れたのは、体調が
行って本当に良かったと思う。

 

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