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’16年月組:アーサー王伝説

 

タカラヅカ・オンデマンド契約したから、さあ見なきゃー!なんか最近のを見るぞ!ということで割と最近のからピックアップしてとりあえず見た作品。


■ストーリーはあんまりない!

アイリッシュ入った音楽はいいし、ロココ調とはまた違った華麗な衣装もかっこいい。演者はみんな個性的だし、パントマイムやパペットダンスとかの見どころもあって、楽しめた。 ひとつひとつのパフォーマンスは魅力的なものばかりで、映像で繰り返し見てしまう。個人的にはかなり好き

…ただ、リピート前提の宝塚ファンからは評価低かったようです。確かに高いお金を払って舞台で何度も見るとなると…うーむ、気になるところいっぱい出てくると思うし、演者のことを考えると擁護しづらい。月組さん、みんな品があって、こいつムカつくなというキャラはそこまでいないし後味は悪くないんだけど、じゃあいい扱いかというとね。 で、筋の通ったストーリーはないも同然だし、ロマンス的には報われるカップルがいないし、主役は大体いつもドラマの蚊帳の外。

というのも、この話のアーサー王本人はほぼ最初から王様だし、人生をかけて求めているものが明確にあるわけでもないのである。(潜在的には、ある) とにかく無欲。 で、そこが王の資質みたいな話になるので、ドラマは全部他人が起こす。 あと、基本マーリンが悪いよね?

 

■アーサー王の周りで起こるドラマいろいろ(他人発)

  1. 父親のウーサー王が臣下の嫁を騙してアーサー王を孕ます(出自の問題発生)
  2. しかもウーサー王を手助けしたのは自分を担ぎあげた腹心の部下・魔術師マーリン
  3. 1の件がきっかけで魔道に堕ちた臣下の娘(父違いの姉)とベッドインする羽目に(ダブル不倫side:A)
  4. 命を救ってあげた姫君に惚れられ、妻に迎えるがすぐ浮気される(ダブル不倫side:b)
  5. 優秀な家臣ランスロットが妻と浮気したばっかりに闇落ち

自分の出自がわからず、アイデンティティがおぼつかないアーサー。そこへ、魔法使いによって王様にされ、上記のような「王であるがゆえ」の試練(※ほぼマーリンの撒いた種)が次々ふりかかる。 王者って孤独ですね…、みたいなのがずっと謳われます。

しかも伝説の剣エクスカリバーのエピソードさえ、魔法使いマーリンと大地の魔女の「仕込み」で、単に自分たちがコイツが都合がいいんじゃねと見込んだアーサーに引き抜かせただけという設定。 要はアーサー王は魔法使い同士の代理戦争の道具なのだ。 そんな都合とは関係なく、ひたむきに人を信じ、愛し、許し、自らの力で真の王となるアーサー…というのがお話の骨格だろうか。 アイテムとしての扱いが雑なのは聖杯も同様で、作中でアーサーがランスロットに探しに行かせるんだけど、単に民のために必要だからそうするだけで、聖杯の有無も物語の結末に関係しない。 せいぜい妻からランスロットを引き離すだけ。 アーサー王を扱っているのに魔法のアイテムがことごとく意味がないというクールさはオシャレっぽくて好き…だが、今こうやって並べてみると人の扱いも等しく雑といえる。

彼は妻に裏切られ姉に謀られ、出生のおぼつかなさに心を乱しながらも純粋さを失わず、その無自覚な強さゆえに魔法使いたちの予想を裏切り、「真の王」として君臨する。 月組トップ・珠城りょうさんのお披露目公演となっているので、王者として君臨するストーリーはメタ的な意味もあるのだろう。

もとはフレンチ・ミュージカルらしいですが、運命に翻弄される中で生きる人間を描くのも、ギリシャ悲劇リスペクトって感じで基本コンセプトとしては好きです。 しかしそこまで悲劇性が強いわけでもなく、かつ主役は最初から最後まで純粋で寛大で、あまり試練を乗り越えた感じがしない。 美味しいセリフやエピソードもいっぱいあるんだけど、どうも順番が効果的じゃなかったり、矛盾が多かったり、余計だったり、どこまで原作と同じなのかわかりませんが、そのへんで損している気がします。

 

■他雑感

  • マーリン:お前が運命というシナリオを全部おかしい方に書き換えてないかっていう。モーガンもそうだけど、エピソードの粗をセリフで補強するので脚本の犠牲になっている。演者のおかげか不愉快ではないが、見返すとツッコミたくなる。
  • アーサー:キングアーサー!キングアーサー!(モブになった私)結婚式のシーンでめちゃめちゃ忠誠を誓いたくなる。このシーンをラストにして話作り変えてもいい。ってか他のダンスシーンも迫力あってカッコいい。まっすぐで、健康的で温かい、懐の深いエエ男。有無を言わさぬヒーロー感、それだけでいっか、ってなっちゃう力がある。 男っぽさもピカイチじゃん! 演者の人となりを全然知らんのですが、そういうメタ情報がなくてもいい、贔屓目なく単体で好き。
  • グウィネヴィア:最後、狂気に陥るほど精神が脆弱には見えないのが気になる。いかにもなヒロインじゃないけど、裏切るけど、浅はかでもないし腹黒でもない不思議な個性。これまた演者のおかげか、彼女の都会的かわいさがドロドロなはずのお話をドライに仕上げるのに寄与しているかも。
  • モーガン:かっこいい! 悪の魅力。 計略が効果的に機能したのはアーサー王を寝取ったことだけだし、結果、出来た子供のエピソードも回収されないし、グレるのも理由があるのであんま敵!て感じがしない。憎めない。動きが流麗できれい…。
  • ランスロット:わかりやすいイケメン。若き騎士。侍女が「女性の扱いに長けてる」っていうけどグウィネヴィアとの不倫は真剣で火遊び感がないし、こういう説明セリフが本当に思わせぶりなだけだった。 結局、聖杯もってこれないし、かといってピエロでもないし劇中の役割をもっとちゃんとしてあげても。
  • アーサーの兄:アホ=本当はアホじゃない ←このエピソードもっと活かせる描き方あるよね。コメディ担当でもあり、美味しいのにもったいない。
  • 騎士群舞:あーー 美麗。目の保養。鎧に真っ赤なマントを翻した騎士たちがアイリッシュサウンドに乗ってヒラリヒラリと…でもたまきちさんは美しくもたくましい。

 

とにかくビジュアルと音楽が好み。 書かなかったけどメリアグランスの演技もいいよね。モーガンとのナンバーもめっちゃカッコいいです。最後の侍女ーズ&ヒロインのショーも可愛い!

というわけでダラダラ書きました!

結論:良し悪しはさておき好きです!

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