めざせハートウォーミング

‘14年宙組 翼ある人びと 〜ブラームスとクララ・シューマン

いい作品なんだろうけど……凄く心にしこりが残りました(笑)

私が無職の既婚女性だけに!!

で…えーと、これ三角関係のドラマをメインと見せかけて、3人のクリエイターの自己実現のあり方を描いた話ですよね?

「クリエイターとは」みたいな裏テーマが目立ちすぎてません? いや私が気になるだけかもしれないんですけど。ベートーベン?の存在とかさ、明らかに悩みの主眼が作曲への姿勢に据えられてたと思うんですよね。

だから、なんつーか、三角関係のドラマだと思って観ると、とっても綺麗な盛り付けで繊細で美味しいんだけど、前菜からデザートまで、最後までやたら主張する素材があって、なんか全体の盛り上がりにいちいち水をさす、そういう話でした。

で、これは役者の演技力の問題かもしれんけどーーーー

いちいち水をさすのが、ヒロイン・クララなんですわ。

グッときそうなシーンがほとんどアレッ?て感じで不発に終わるのは大体クララのシーン。わざとセオリーを外しにきてるのかってくらい。で、それが成功なのか失敗なのかよくわかんないレベルで色のついてない演技にとどまってる。 後半に向けてどんどん盛り上がってくるかな〜とか思ってたんですが、1幕の最後の方で、展開の遅さに怠くなってきてしまいました。そもそも劇的な話でないのに単調。

もともと、この人のキャラクターは、物語上も過剰に抑制的なんですよね。最後の方まで自由という選択肢自体が頭にない感じ。

劇中、実際的な不貞よりも精神的ソレの方が重い、ってセリフあったけど、クララはずっと精神的不感症じゃないですか?  ブラームスになびかないのにも、あんまり内面的な理由を見出せない。言っちゃえばシューマンや子どもたちに対する愛も通りいっぺんであんまり表現されてない。それほど生活苦で疲れてるのかと思いきや、案外パワフルで美貌も衰えず演奏活動に出かける力はある。

単に目の前のことに一生懸命で立ち止まって考えてこなかった、のかもしれない。 考えないようにしていたのかもしれない。 そうして自分で飛ぶことを選択しなかったクララと、なにもかも、愛にすら縛られず飛ぶことを選んだブラームス君(まぁ様カッコ可愛すぎて悶える)が対比になってるのかもしれない。構成的にそれならわかる。

ただ、そう描写されてるかというと疑問。 内面描写が不足して、かのリストが思いを寄せたり、生活やつれもなく夜会で注目を集めるハイスペック・モテモテ貞淑アバターヒロインみたいなとこでキャラ立ちしてしまった気がする。実際に主婦業が忙しくてキャリアを断念した人とかがどう思うのか、聞いてみたいところ。

後半はいいんですよ。怒涛の展開って感じで。ブラームスが告白してからの、より心にフタをして生きていく様子は。 でも前半のそれなりに幸せなバランスを保っていたモラトリアム時代をたっぷり描写してないだけに、変化が感じられないかな。 結局、この人なににこんな悩んでるんだ?っていう。

たぶん正しい解釈としてはさ、クララはシューマンを愛し、家族に満足し…ってとこで折り合いつけて生きて、そこそこ幸せだった人として見るべきなんだよね。でもさ、私にはあんまりそう見えないんだよね。単に自分の自由を求める気持ちに気づけなくて、かといって家庭に軸足があるわけでもなく、ぬぼーっと生きてきたから、今更本音出すのは無理です、諦めます、って最後に見えて。 クリエイターの男2人に挟まれて、求められ、スペック的には恵まれていたのに、それに応える情熱もなく、とても不憫だなと。なんでそう見えるかというと

ガワは三角関係の体裁なのに、主眼がクリエイターの悩み

っていうドラマの配分のせいだと思う。

なんか最後は上手にまとまってるし、これがやりたかったんだなというシーンもあるけど、ちまちま気になるところがあって胸落ちしないで終わりました。  巷で絶賛なので、オチとクララの演技が了解済みなら、何回か見れば良さがわかるんじゃないえしょうか。  演出や振り付けの繊細な美しさはよかったし、書いてて「やっぱりステキな作品だったな」って思うし。(でもシューマンらの名曲をもっと使って欲しかった)

まあでも、この作品から私が受け取るべき、メッセージはアレですね。

こんな感想書きに逃げてないで、お前の自由をつかめよ!と。

は〜い…

あ、まぁ様は本当にステキでした。

おわり(シオシオ)

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